氏子札 ~神社版の檀家制度

極まれに氏子札が残っている旧家があります。これもご先祖調べに参考になる資料です。

明治4年(1871)7月、明治新政府は「大小神社氏子取調規則」を発令し、すべての国民は神社氏子となり、神社が発行する守札(氏子札)を持つことを義務づけました。これを氏子調といいます。
神社版の檀家制度です。
これは神道を国家祭祀の中心に据える政策の一環といえます。
氏子札の表には「○○神社氏子(社印)」が記され、住所地・姓名・生年月日・父の名、裏には発行日付と発行した祠官(神職)の署名捺印があります。
明治初期の民法では、既婚女性は生家の苗字を称すことになっていたので、妻の氏子札は別姓となっています。
これは神社氏子を証明するとともに、身分証明書の役割を担っていました。
しかしこの制度は長く続かず、明治6年(1873)には廃止されています。