ご先祖の仕事 ~浄土真宗の道場主
浄土真宗(一向宗)には、僧侶が常駐しない小規模な念仏・法話が行われる宗教施設在家道場があります。 在家(一般の信者)が中心となって運営される施設で、その中心者を道場主(道場役)といいます。 しかし単に信仰の場であっただけでなく、集落の政治経済の場でもあり、住民生活に影響を与えた場所でした。
庄屋など村役人が藩・奉行所から指示を受けて政治・経済を進めるのに対して、道場主(道場役)は村共同体の宗教的な調和、指導・アドバイスにあたったと考えられます。
そういう意味では、道場主(道場役)には優れた家柄・人物が求められ、世襲であったと考えられます。福井県大野郡では、親しみも込めて「道場さん」と呼ばれました。
在家道場は寺号を与えられませんが、道場主(道場役)は半僧・半農で、法衣を着けて勤行をし、得度を受けている者もいました。なかには大寺院の役僧となる者、葬儀・法要の時に内陣より一段低い場所に座り、鉦鼓(しょうこ)を鳴らして、経を唱和する役を勤める者もいました。
